2009-06-04

情熱の被害者

今年もたばらそだちの季節がやってきた。

苗さしイベントは今週の日曜日。

あと数日しかない。

苗さしから会員さんにやっていただくのだが、それまでの準備はスタッフでやる。

去年収穫してからこちらに生えた草を刈り、畑を耕す。

畝を立ててビニールマルチを貼る。ここまでは我々の仕事。

スタッフは四人ともそれぞれ昼間の仕事を持っているので、作業は土日に行うことが専らである。

しかし、今回は予定していた土日の前に雨が降ってしまった。

雨上がりに土が乾いていない状態で耕起や畝立てをやると土が粘土状に練られて固まってしまう。

これは植物のタメにならないので避けなければならない。

作物が根を下ろし健やかに育つためには、土はほどよい団粒でふかふかした方がいい。


降雨の後、十分に土が乾いたのを確認してから、一日仕事を休んで作業を行うことにした。



朝六時集合。

草刈りとトラクターでの耕耘は数日前に済ませていた。

トラクターは地元の農業青年!一郎君に貸し手もらった四十馬力!

今日は畝立てとマルチ張り。畑の広さは一反五畝(15a=1500平米)

前日に近くの農家から借りてきた畝立て&ビニルマルチ張りマシンを駆使すれば、このくらいの面積、二時間もあれば終わる。


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朝焼けがキレイだ。さあ、作業を始めよう。

機械を畑に入れ、ビニールマルチをセット。エンジンをかけて機械を動かした。





・・・・。


あれ。

どうも上手くいかない。


090520_0630~010001


畝がしっかりと立たない。

苗を植える面が真っ平らになる設計なのだが中央部がどうしても谷になってしまう。


さらにビニルマルチが風で飛ばないように両端に土がかかって押さえていく設計なのだが十分に土が寄せられず、結果ビニールがぴらぴらのままで、一風吹けば飛んでいってしまう。


・・・・・。


だめじゃん。

なんとかしようと機械を見回してみた。借してもらいに行った時に一通り見たつもりだった。 






あ。




タイヤホイルのボルトがない。


ホイルを留めている四本のボルトのうち三本が飛んでいた。


あれま! これはタイヤが飛んでいくのも時間の問題。


まさか、ここがとんでるとは思いもせず、ノーマークだった。


それから。

土を耕耘して畝を寄せるためのカルチを見ると、中央の刃が摩耗して細くなっている。


あ、これで中央に土が寄せられず、谷になっていたのか。



な~るほどね!



感心している場合ではない。

天気予報では今日は午後から雨が降るかもしれないことになっている。


大事を見ての朝6時集合だった。

まごまごしていたら、また作業が出来ない状態に陥ってしまう。

このチャンスを逃したら事実上、苗さしイベントが開催できない。


やば~! 時計を見ると6時半。


「ちょ、ちょっと行ってくる!」

他のスタッフと一瞬、目を合わせて立ち去った。


詳しいことは言わなくとも目を見れば分かる。

それが仲間というものだ。

私は二軒隣に住む農機会社の兄ちゃんの家へ。



家に着いたがまだ早朝なので呼び鈴は押さず、とりあえず携帯に電話。すると携帯のコール音が居間で鳴っているのが外まで聞こえた。


誰も出ない。

一旦、電話を切った。

まだまだこんな事で諦めるワケにはいかないものが私の背中を押す。

再びコール!

トントントンと階段を下りる音。



あ!お目覚め!


「あ、もしもし。外におるんはお前か?」


はい!あっしでやんす。

兄ちゃん、ちょっと助けて!

パジャマ姿の兄ちゃんに、これこれしかじかこういうワケでボルトが三本とカルチの刃がいるのだと伝えた。

兄ちゃんの自宅に工具や部品は無い。

そこから工場兼お店に移動してボルトと替え刃を受け取った。




「よし、これでいいな。そしたら俺は帰る。」


部品を手渡し家に帰ろうとする兄貴。いや、兄ちゃん。

俺ものすごく不安なんよ。

一緒に来てほしいな~!

一緒に来てほしいな~!

俺たちにはもう残された時間がないのだから。お願いです!一緒に来て下さい!



「わかったわかった。ほんっとお前達は。」

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結局、取り付けと調整をやってくれた。時計を見ると九時。


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ありがとうございましたー!兄ちゃん、また借りね!借り!



「お前達には大概貸しとうぞ、ほんっと!今度酒飲みの時は、ちっと多めに注げよ。」

兄ちゃんは笑いながら帰って行った。困った時の兄ちゃん、頼りの中村農機様なのである。兄ちゃんほんとありがとう!


 その後も機械に振り回されながら、作業を進めた。土がマルチを押さえない不備は機械の構造的に解消できなかったが、ビニルの裾を踏みながら機械を進めると上手くいくことがわかった。機械に意志はない。

機械は人間が命じた通りに動くだけである。

機械に文句を言うのは本末転倒。

使いこなすのが人の知恵というものだ。

畝が微妙に曲がっている。別に意味はない。

この機械作業は操作する者が後ろ向きになってバックで進むため、真っ直ぐな畝を立てるのは誠にもって難しい。

最初のウチに直線をしっかりイメージしていないとまっすぐにはならない。

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ちょっとでも最初に曲がったりつっかかったりするとその後の畝に大きく影響を残す。

ううん。まるで人生のようだ。

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こちらが私の人生、いや、私が立てた畝。あとは、張ったビニルが風でなびかないように土をクワで上げていく。

これは手作業。

これもまた骨のいる作業。

終わった。




時計を見ると十二時半。ほえ~間に合った。

天気予報の通り、午後から天気は下り木曜日はまとまった雨となった。


セーフ!



さあ!準備万端!今年もうまい焼酎ができるぞ。


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しま・しま

Author:しま・しま
土からつくるここだけ芋焼酎「たばらそだちプロジェクト」を立ち上げました。土と食、命がつながるといいなと思います。

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