--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009-07-27

嵐の前

金曜日の夜から日曜日にかけて、九州北部は記録的な豪雨に見舞われた。


家屋の浸水や倒壊、地崩れによる負傷者や死者が出るほどの惨事となった。



金曜日の朝。


その夜から2日の間これほどの豪雨になると想像できるはずもなく、曇か雨が降っても普通の雨だろう位の思いだった。現にその朝は曇りではあったが雨は降っていなかった。



前日自転車で帰ってきていたので、この日はいつもより早めに家を出るつもりでいた。




朝6時。



準備をして外に出る。



目を覚まして一番に外を見た時は降っていなかった雨が、ぽつりぽつりと落ちてきた。



あらら。



ジョギングの時もそうだが、雨を持って中止にするかどうかの判断にはタイミングがある。



特にこういうぽつりぽつりとした雨の時はその判断が難しい。



準備をする前に降っていたらアウト。



準備をしてしまうと少々の雨でもスタート。



準備する前に雨が降っていると、たちまちに心のどこかが折れ止めてしまう。

それ用の服を着てシューズを履き準備が出来た段階で雨にあっても走り始める。



もともと走ったり自転車をこいだりする時は、雨に濡れようが濡れまいが汗でびしょびしょになるんだから、雨自体は大した意味を持たない。


準備をする間に「いくんだ」という腹が決まる。


そこまで腹をくくってしまうと後は足を前に進めるだけなのである。



金曜の朝はそういう日だった。




着替えてしまってから外に出た。



曇天を仰いだ顔にぽつりぽつりと小さな雨粒が着いた。




これしき。



あまりうれしいものではない。


どばーっと降るかも知れないというリスクを抱えながら1時間50分もの間、自転車をこぐのである。


出来れば引き返したい。そういう気持ちも頭を擡げてくる。



うううう。これしき。




自転車の所に着いた。




昨日、帰る途中に後輪がパンクしたので修理して帰ってきた。



ロード用自転車のタイヤは軽量化のために薄く、細くなっていて、思いの外デリケートだ。


ちょっとした拍子にパンクしてしまう。


そのため、予備のチューブとパンク修理セットを携帯している。



この時はチューブを替えて、うちに帰ってからパンク修理をした。



昨日新品のチューブに替えた後輪がまたもや萎んでいる。




あら?




原因を確かめているほどの余裕はない。





仕方がない。




これは仕方がない。


雨は大丈夫だが、これは仕方がないのである。




近くに住む同僚に電話して車に同乗させてくれるよう頼んだ。



諦めたのは雨だからではない。


電話でお願いしている私は、笑顔をしているのである。
スポンサーサイト

2009-07-27

熱い視線

 今年も七月十八日からぶどうの収穫が始まりました。収穫というのは農業の中でも心躍るうれしい作業です。春に芽吹き、花が咲く。お日様を葉でいっぱいに受け止め、小さな果実は少しずつ成長していきます。七月に入ると果実に色がつき、園にはほんのりと甘い香りが漂い始めます。さあ!いよいよ待ちに待った収穫!私たちがそう胸を高鳴らせている隣でやはりぶどうの果実に熱い視線を注いでいる奴らがいます。ヒヨやカラスなどの小鳥たち。「僕のかわいい小鳥ちゃ~ん♪」熟れてきた果実から片っ端に食っていく。

 鳥からの襲撃を阻止する方法はいくつかある。まず、音で脅かす方法。水田などで見かける雀脅しがそうで、プロパンガスなどの爆音機がタイマーにより作動する仕掛けになっている。うちの園にはそういう仕掛けはないが、ロケット花火で時々脅す。そのときはパーッと逃げていくのだが、人がいなくなるとまたやってくる。くそう!ニオイでブロックする方法。鳥の嫌いなニオイがでる薬剤を園に置き、近づけないようにする。このニオイは鳥もいやがるが、我々人間もいやになるので、ちょっと敬遠したい。それから筋糸トラップ。鳥に見えるか見えないか微妙な色の筋糸を張り巡らし、鳥に危険な雰囲気を察知させ敬遠させる方法である。これはカラス等の賢い鳥に効く。最近の傾向として、カラスよりもヒヨや名前も知らないこれまで見たこともないような種類の鳥がやって来てはぶどうを食べている。こいつ等にはこの筋糸作戦が余り効かない。最後の手段が、防鳥網作戦。物理的に鳥が入ってこれないように園をすっぽり網で覆ってしまう。これならば、敵が賢かろうがアホだろうが関係ない。幽霊や煙でない限りは通り抜けることは出来ない。

 今日栽培されているぶどうは自然にあった品種から栽培しやすいように美味しい果実が出来るように人間が品種改良したものではあるが、ぶどう自身がこのような果実を付けるのには訳がある。彼らは美味しい果実を実らせ、その中にある種もろとも鳥や動物に食べられる。そのことで種子は遠くへ運ばれ、種子の生育に必要な栄養素となるフンとともに排出され、自分達の子孫を広域に分布させ種が生き残る可能性を少しでも広げようとしているのである。そうなのだ。あの甘い香りや美味しいそうな色は、鳥や動物たちを誘っている。ぶどうからの熱烈なラブコールを受けたのだから小鳥ちゃん達も目がハートマークになって押し寄せるのも無理はない。日に日に被害は増すばかり。夏に食べようと畑の隅に植えていたスイートコーンもいつの間にやら芯だけになっていた。くそう!冗談ではない。せっかくここまで漕ぎ着けて、美味しいところだけかっさらわれていかれたんじゃ、こっちぁおまんまの食い上げだ。

防鳥網。

090717_1523~01




TS3H02420001.jpg



これがまた、鳥が引っかかるように出来ている網なもので、ぶどうの枝やらハウスのネジ頭やらに引っかかってもう。ムキー!っとなりながら、容赦ない日差しにやられながら七月十七日と十八日の二日間で防鳥網を取り付ける作業を終わらせました。やれやれ。網を張ってから奴らの行動を見ていると、園を見渡せる木の上にとまり、まわりの仲間に異変を知らせるような鳴き方をしばらくしているかと思ったら、飛んでいなくなりました。鳥と人の知恵比べ。今のところ人間様の勝ち!






ハウス

↑がんばっている俺

 自然の摂理を利用しながら、その恩恵を横取りしているのは我々人間様なんだし、ちょっとぐらいなら目をつぶるのですが、これだけやられるとそうも言ってはいられない。自然が相手というのは全く持って骨の折れるこっです。

2009-07-27

奴らの野望

朝、草刈りをしているおいちゃんを見かけた。

その周りにたくさんのトンボが群れていた。

オレンジ色のトンボがおっちゃんの周りにいっぱい!


ほー。トンボって人なつっこいんだな~。

おっちゃんとトンボ達は、なにやら甘~い雰囲気に包まれ、さも戯れているかのようだ。


…。


じっと見ているとなんか違う。


どうも彼等はおっちゃんが好きなワケではないみたいだ。


彼等のお目当てはおっちゃんの唇ではなくって、草刈り。


正確に言えば草刈りに驚いて逃げ出す小さな虫達。


これを捕らえて食べようと集まってきたのだ。




そういうことか。




時に愛くるしくも見える虫達の仕草。

これも本能に裏打ちされた生命維持に直結した行いなんだな。


このトンボ達、ウスバキトンボという種類。

夏から秋にかけて、田んぼや草むらでよく見かける。


夕焼けこやけ~の赤とんぼ~のトンボとは違う。赤とんぼはナツアカネかアキアカネという種で、ウスバキトンボはウスバ゛黄゛トンボだから黄色のトンボ。



毎年決まってこの時期に見かける。



彼等はもともと熱帯、亜熱帯に生息する種である。

長旅が得意で、東南アジアあたりから遠路はるばるやってくる。

毎年春頃九州や四国にたどり着くらしい。




は~やれやれ、日本に着いたぞ。

ここで子孫を増やし日本でウスバキトンボ帝国を築いてやる!

九州に上陸した彼らは、目の前の光景に手を叩いて歓喜する。


その時期の九州では田植えで水が当てられた水田が広がる。


この水田が彼等の繁殖地として最適な環境なのだ。






オー!ナイスにっぽん!

なんて気の利いた国なんだ!




持ち前の繁殖力でたちまちのうちに栄耀栄華なウスバキワールドを築き上げ、九州、四国を制圧。


田植え前線とともに本州を北上し、ついには北海道も手中におさめる。


人間が何百年もの戦乱で成し得たことをヤツらはほんの半年足らずでやり遂げるのである。


この調子でいくと、日本はウスバキトンボだらけになってしまうのではないか?



ウスバキトンボホイホイにウスバキトンボジェットが店頭に並び、テレビではウスバキトンボ多発警報が出される。


大丈夫。



大丈夫なのである。





ヤツらは南国生まれ。寒さには滅法弱い。



残念ながら日本の冬はヤツらには冷た過ぎた。


寒さの訪れとともに死に絶えてしまうのである。





それでも彼等はあきらめない。

去年と同じように長旅をし、卵を産み、繁殖する。

恐らく人間が文化を持つずっとずっと以前から続けられてきた営みに違いない。



地球の大先輩に「諦めない」という命の根源とその力強さを見せつけられた。


日本の農村と順応したウスバキトンボ達。


いや、自然に我々人間が順応した、という方が正しい。



今も虎視眈々と日本制覇を狙っている彼らに、農村は認められたのである。

2009-07-26

俺って幸せ

スイムからスタート。


フローティングスタートといって、スタートラインのかわりに海面に浮いているヒモにならって並ぶ。

背は立たない。


そこにぷかぷかと浮いていて、スターターのピストルとともにスタートする。


海水だし、ウエットスーツを着ているので何もしなくても浮く。



ピストルは1回スカをしてから鳴った。



一斉に選手がスタート。


港内の500mコースを2周。



コースには最短距離というものがあり、当然の事ながらそこに選手が集中する。


そこを外して泳ごうと思っていたが図らずも迷い込んでしまったようだ。



とにかくバトルになる。自分の居場所が確保できないほどである。


散乱のために川を登る鮭のような気分になる。




どうしようもないので隣のヤツを少し横に押す。


ラリアットを食らう。


誰かの頭を蹴った。


誰かに足をもたれた。



とにかく冷静に泳ぐような環境ではない。



1周折り返しあたりで少しばらけて、ようやく泳ぎやすくなってきた。



これまでのストレスで少し息が上がったようだ。



すこし冷静になって息を整え、もう一周。



ちょうどよいペースメーカーのブルースーツが右にいたので付いていった。



門司港の海。

090719_0823~010001


視界は極端に狭い。



息継ぎの都度方向を見極めていかないとすぐにコースアウトしてしまう。



何度かブルースーツにもぶつかった。



あ。


途中で気づいた。



この人女性だわ。



女性はキャップの色が違う。



年代別、性別でキャップの色が違う。



左後方を泳いでいたので気づかなかった。



やべやべ。


いらんことぶつかっていたらセクハラで訴えられる。



慌てて距離を置く。



1キロ泳ぐと岸壁にある階段を登る。



思いの外疲れているので、そこで階段を踏み外したり落ちたりする人がいるらしい。


スタッフが手を握り、引っ張り上げてくれる。




そこからランへのチェンジゾーンに向かう。


職場の先輩が目に入ってきた。


「がんばれ!」


ありがとう!思いがけない応援は嬉しいものだ。


この先輩、私をこのレースに誘ってくれた方。3年前、一緒に出場した。今回はウエットスーツ着用が義務づけられたので見送ったそうだ。


この人にはいつも勇気づけられる。



スーパーの買い物かごに予め自分で準備していた着替えとシューズ、水が入っている。


手早くウエットスーツを脱ぎ、タオルで海水を拭き取ってからTシャツと靴下を着る。靴を履いてから水をぐいっと飲み、一呼吸入れてから走り始めた。


先ほどの先輩がアシストしてくれた。


時計を見ると28分。



スイムは26分くらいで上がってきたか。



よし。



ランをキロ5分で行っても50分。1時間16分か。



悪くない。



前回はどのくらいだったか・・・。




心配していた左ふくらはぎの肉離れもなんともない。





いけるな。



ぐっとペースを上げてみたが大丈夫だ。



45分くらいで帰ってこれるかもしれない。



コースが直線になり、歩道からの段差をタンと降りた。




ピキピーン!




あ。





肉離れ再発。




まだ、500mしか走っていない。





やはり完全ではなかったか。




なったものは仕方がない。



右足でカバーしながら走り続けた。





天気予報は曇時々雨だったが、雲間からは日差しが乱暴に照らし付ける。


水分を摂りながら前に進む。




何とか行けそうだが、脱水症状で足がつったりしないようにとにかく水分だけは努めて摂った。



ランは門司港レトロ付近の沿岸コースを3周するコース。



1周目を走る者と2周目、3周目を区別するために1周走り終えたところで輪ゴムを手にはめられる。



これが3本そろったらゴールへのコースへと誘導される。




泳いでいる時も、走っている時も思う。




今、泳いでいる。今、走っているんだな。



楽しみにしていた大会で今走っている。




きついとかつらいとかそういう感情はすっとんでしまう。



今、喜びの絶頂にいるんだな。




そう思っている間に1キロ泳ぎ切ってしまう。



ああ。スイムが終わってしまった。


次はランだ。まだランがある。



走っていれば当然ゴールに近づく。




気がつけば3本目の輪ゴムを手にかけられた。



1,2本目は左手。3本目は右手にしてもらった。




このあたりがゴールへの分岐だな、というあたりで女性を一人抜いた。


私の前には誰も居ない。




係員に輪ゴムを見せてどっちですかと訪ねると真っ直ぐだと指さした。


少しおかしいなと思いながら、この先に分岐があるのかも知れないとそのまま直進した。


コースの折り返し地点でコーンを回ると、先ほど抜いた女性がいない。


あれ?リタイアしたのか?



先ほどの地点まで走ったところでコースを間違えたことに気づいた。



そのまま行けば、本格的に4周目へ入ってしまう。



係員に言って、ゴールへのコースに入った。



どうやら輪ゴムを右手と左手に分けてはめていたことが元凶だったようだ。



まあいい。



人より多く楽しめた。



距離にして650m、おそらく3、4分ほどのロスタイム。


係員を責めたりしないし、自分を呪ったりもしない。



こういうこと1つ1つが楽しい。


肉離れしたが走り切れたこと。



人より余計に潮風のなかで走れたこと。


順調でないから、順当でないから人生は楽しい。




正式タイムは分からないが、おそらく1時間20分くらいでゴールできた感じだ。



それが分かればいい。



楽しいレースだった。




閉会式では表彰の他、バナナのたたき売りが行われていた。結構立派なバナナの房を小気味良い調子を付けながら即売するこの辺りの伝統芸能だ。


欲しいなとも思ったが、ここでバナナを買うわけにはいかない。



その後、選手を対象に抽選会。



門司港ホテルの宿泊券やフェリーの搭乗券などが当たる。



抽選が終わりに近づき、自分は当選しそうにないなと荷物をまとめ、背に負ったところ。



421番!



あ、当たった。




ゴーグルが当たった。



いいことある。


090719_1342~010001



ミスなんとかのおねーさんと握手したら、閉会宣言を聞かずに会場を後にした。


駅前のトンカツ屋で昼飯を食った。この辺りは焼きカレーが名物であるが、気分じゃなかったのでトンカツにした。



自転車にまたがり、関門トンネル人道入り口へ。


人道は自転車や原付バイクが通ることができる。



ただし、押して歩いて行く。

090719_1431~01


約1キロ。




てくてくと歩いていると、ジョギングをしたり観光であるいている人がたくさんいた。



県境にはちゃんと印がある。ここから先は山口県。



090719_1437~010001


人の通行料はただだが、自転車や原付バイクは20円要る。


料金は山口県側でお支払い下さいと書いてあった。


人道を出たところに料金箱があって、勝手に入れるシステム。


誰かが見張っているワケで無し。


しかし大人だからここは入れておかないと。






20円を入れて一路山陰へ。


2号線から191号線へと進み、山陰側の海を見ながら自転車をこぐ。


潮風が気持ちいい。




090719_1551~010001





大河内温泉という3,4軒温泉旅館があるこぢんまりした温泉に浸かり、汗を流した。



晩飯を食い、家に帰った。



心地よい疲労感。



俺って幸せ。

2009-07-25

ことの前

山笠も終わりいよいよ夏がやってきた。

梅雨明けはまだだが、雨間に差し込む乱暴な日差しは紛れもなく夏である。


今日は門司港に来ている。

夏のイベント一つ目。


門司港レトロswim&runである。

1キロ泳いで10キロ走る。

門司港内を泳ぐので視界は悪いが波は穏やか。ranもフラットでイージーだ。

案内に7時から8時半まで受け付けと書いてあったので、張り切って6時半の電車に乗ったら、時間を持て余してしまった。

このくらいの余裕があっていい。

駅に着くと自転車預け所に向かった。

お願いしますと受け付けのおじさんに声をかけると、

「いいですけど、自転車はどこ?」

あ、この中です、と輪行バックを指し、取り出して目の前で組み立てて見せた。

ひとしきりおじさんと話をして、大会会場へ向かった。

会場は駅からはほんの目と鼻の先にある。

この大会公共交通機関でのアクセスが抜群にいい。


受け付けを済ませ、両腕にエントリーナンバーをマジックで書いてもらった。

慣れない手付きで極太マジックを私の腕に押し付ける女性に、人にマジックで落書きするとは非日常的ですねと声をかけると、

「不思議な感じですよ」

と笑って言った。

がんばってください。


090719_0818~02



この儀式が済むと気持ちが高ぶる。

その気になるのである。

アドレナリンが放出される音がした。

むむ。

090719_0817~020001


ランへのチェンジポイントにTシャツとシューズ、水などの準備を済ます。


時計を見ると8時すぎ。

スタートは10時半だからまだまだ時間がある。

潮の加減で10時半なのだそうだ。


勝手に門司港ホテルに入りお客様のような顔をしてロビーで新聞を2社読んだ。
ゴージャスなトイレで用も済ませた。

090719_0843~02


開会式が9時半ですか。


今回はひとりでエントリー。

気ままでいいが、時間の流れがゆっくりだ。


さて、そろそろ開会式だ。

2009-07-24

待つり

11時半に集合して、準備にかかる。

締め込み締めてもらったらあとは暇。



090715_0007~02




人の締め込みの手伝いしてあげた。


一人分締めると汗が噴き出す。

で、あとは暇。


TS3H02300001.jpg

山のところに行って記念撮影して、あとは暇。








暇。





1時半から山笠教室があって、ちょっとならしで走ったらまたまた暇になる。


じっと待つ時間が長い。




まつりだからなんだって。



この時間の流れが山についた途端ビックバンのようにはじける。


あと少しの辛抱だ。

2009-07-23

思案のしどころ その2

私の頭の中には、一人の男の顔が浮かんでいた。


職人。


1年ほど前にスリッポンの革靴の装飾金具が割れて外れてしまったことがある。


金具は付け根の穴に皮バンドが通された四角いリングに接続され靴に付いていたが、その付け根から割れているのでどうにもならない。


友人から話を聞き、ある靴の修理屋を訪ねた。



どうにもならないだろうが、ダメで元々。


どうにかなりますでしょうか。



金具を溶接でつけるとかそういう荒技は出来ないだろう。靴自体が焦げてしまう。ボンドで付けてももたないのは私にも分かる。

「この金具を外して皮で新しい金具の役割をするパーツを作ってみましょう」


ほー。


それは私も思わなかった。


壊れた金具を修理することばかりを考えていた。

090712_0915~030001
↑金属から皮のバンドに変わったが、なかなかカンジがよい。

この大将の柔軟性に感服した。


職人だ。



そんじょそこらの修理屋に持って行っても、すぐに諦められ、門前払いで終わったに違いない。



しかし大将は諦めなかった。



職人だ。挑戦という精神。かっこいい。



値段が高いわけではない。


この革靴の修理代800円。


今回のが1200円だ。



「このシューズは構造的に問題があるね。このまま接着剤だけではまた剥がれるだろうから、なんとかしてみましょう」


ありがたい!



私の見込んだとおりだ。



翌日には完成しているという。




取りに行くのが楽しみだ。




足りないものは補えばいい。

壊れていたら修理したらいい。

自分で修理できなければ、出来る人の力を借りたらいい。


おかげでたいそう儲かった。


お金もそうだが、今、心にある豊かさ。これが今回の大きな収穫。


この気持ちは自転車に乗るたびに沸いてくるに違いない。


豊かさとは何か。



金では買えないものなのである。

2009-07-22

思案のしどころ

自転車が届いてから早1ヶ月近くが過ぎた。

必要な道具に優先順位を付けて、一つずつ財布の中身を睨みながら買っていった。

空気入れとパンク修理道具。目的地まで到達するためには備えておく必要がある。

しかし、これだけではまだ乗れない。



ヘルメット。頭の保護は生命の存続に関わる最重要事項である。

これで一応は自転車に搭乗可能となる。
一応と言った。

一応は乗れるがまだ足りない。


完全に自転車と私の能力を引き出すにはまだ足りないものがある。

シューズである。


競技用の自転車に乗る際には、専用のシューズがある。

普通のスニーカーとの違いとこの自転車用シューズとの違い。


ビンディングと呼ばれる金具が靴底についていて、ペダルと靴が接続されるようになっているのだ。

このことで、路面の凹凸やギヤ変換からくる衝撃でペダルと靴が離れる心配がなくなる。さらに脚の動力をもらさず自転車に伝えることができる。


自転車と私が一体になれるのである。


予算の都合上、このシューズだけが後回しになっていた。

なにせ高い。

マーケットが小さいから仕方がないが、最低でも一万円は下らない。

ちょっと気の利いたのになると平気で二万とか三万しやがる。

この価格帯なら革靴でもかなりな代物がくるだろう。


しかしこのハードルを越えなければ、新境地は見えないのだ。


意を決して福岡にある自転車専門店に出かけた。

このショップ、やたらと商品が上積み上げられていて、ドン・キホーテと言うよりもゴミ屋敷の呈そうすら臭わせる。

探したら何かいいモンが出てきそうな雰囲気がぷんぷんするのである。

商品棚を見てみるとやはり高価な靴のみが並べられていた。

腕組みして値札を睨んでいると、店員から声をかけられた。

一通り商品の説明を受けたがやはり気に入ったものを求めようとすれば一万二千円あたりが底のようだ。


ううう。この間、寄った店には八千円の現品限りがあったな。ここまで来たが、あちらで決定のようだ。


と、大方の腹を決め店員から離れる方へ思考を切り替えた時のこと。

「店長に聞いてみましょうか?」


「3000円でどうです?イタリア製定価二万三千円!」

店員からの思わぬ提案。


履いてみるとサイズはちょうど良い。デザインも嫌いでなし。

買った!

自転車用シューズは自転車をこぐための機能があちこちに備わっている。


090711_1155~01



マジックテープとベルトで調節できる。
このやたら魅力的な価格の謎。


090711_1155~02


実はこの靴、他にない機能が一つ備わっている。



090711_1213~02



カスタネット機能ー!



090711_1213~03




踵のあたりの靴底のノリがはがれ、かぱーっと口を開けている。



090711_1213~04


ちょっとリズムをとってみた。

カカカッ♪カカッ♪カッカッカ♪



ははは!


自転車に疲れたら、これでフラメンコを奏でて心と体を和まそう♪



わはははは!






餌やったら食いそうだな。




気に入った!



買う。

無論、フラメンコ演奏は出来たとて、自転車こぐにはかなり難がある。


「高いですもんね~靴は。私なんかはこちらの売られないのを直して使ってます。2液混ぜて使うポンドで大丈夫ですよ」

本当に使っているのかを再度確認して、買う事にした。

私の頭の中では、一人の男の顔が浮かんでいた。

昔、革靴の底がめくれたのを自分で直そうとしたことがある。

最初はいいが、まためくれてきた。


自分で直すのは難しいかもしれない。



つづく。

2009-07-21

通算換算32キロ

毎週1往復だけ自転車通勤をしている。

往きが1時間45分で復路が1時間35分だ。

今日で三回目。

いつもは、職場に車をおいでから初日に復路、翌朝往路という具合で2日に分けて往復する。

こうすると一晩間に挟むので、体が回復する時間を確保できる。


このことを達成するには2日続けて晴れか曇りでなければならない。

おかげで週間天気予報にはすこぶる詳しくなった。



今週は梅雨前線が活発に九州北部をかすめながら北上したり南下したりしたため、曇りや雨が多かったのだが、今日だけは晴れ間がのぞくという予報。


今日しかない。


今日しかないのである。


朝6時に起きて6時半に家を出る。

風が強かった。自転車は風の影響を大きく受ける。


ずっとアゲインスト、向かい風。

平坦な道も、風に阻まれると登り坂のようにペダルが重くなる。

過去二回よりも10余計にかかってしまった。



夕方。

当然、車はない。

自転車で帰るしかないことはわかっている。


おっと!今日は木曜日じゃないか!


大宰府天満宮までモチラン。


それから着替えて自転車に跨った。


18時40分。

明るいうちに冷水峠を越えられるな。

背中にはリュック。

中には着替えと財布。

それから水泳パ~ンツ!


帰りにサルビアパークのプールでひと泳ぎ。

閉館時刻が迫っていたので1キロだけクロール。


プールからの帰り、たまらずコンビニに寄り、かき氷とディポビタンアミノを補給した。

モチランの梅ヶ枝餅はとうの昔に消化されている。

空腹のまま、かなりの時間、運動を続けていた。

自宅に到着したのは21時20分。


自転車35キロ×往復。ラン11キロ。スイム1キロ。


一人トライアスロン(ショート)完了。




これをランベースに換算して通算すると32キロ走ったことになる。

体重計に乗ると51キロまで落ちていた。

ちょっと落ちすぎだな。

水分をたくさんとってご飯をいっぱい食べて早く寝よう。


おやすみなさい。

2009-07-13

皮の力と儲け

土曜日は朝から畑に出て作業を行った。

日曜日は用事があるし、土曜の昼からはぶどうハウスのビニルを剥ぐことになっているから、午前中は逃せない。



気温が上がり、地温も高くなってきているのでニンジンの収穫期限ぎりぎりのところである。

梅雨時期、晴れたり大量の雨が降ったりで割れているニンジンもある。これが地温の上昇に耐えきれず、腐り始めてしまうのだ。


野菜は表皮で外部から身を守っている。酸化や照りつける日光、紫外線、細菌、害虫等々彼らを取り巻く環境は厳しい。そのなかで必死に生き延び、子孫を残そうとする。

野菜の表皮には抗酸化力やファイトケミカル的な要素がぎっちりと詰まっているのである。

それが破れてしまうと、いくら元気野菜といえど腐敗が始まってしまう。彼らが耐えている間になんとか収穫を終わらせた。

TS3H0217.jpg




090704_1127~01





ニンジン約70kg。それからゴボウとピーマンも収穫した。大収穫である。


それからこちら。

090704_1126~030001


ジャガイモ。土を掘るとごろごろしたでかいジャガイモが出てくる。


以前、ここで土作りに入れた生ゴミに混ざっていたジャガイモの皮から発芽し、これほどまでにでかい子実を実らせたのだ。

090704_1056~01



ほー!これはたまげた。


どうなるだろうと出てきた芽をそのままにしておいた。


なんにも経費をかけていない。勝手に生えて、勝手にでかくなったほったらかしのジャガイモ達。



090704_1102~03

↑ちょっと見にくいが、茎には種芋となったジャガイモの皮が付いている。


やはり皮には、得体の知れない力がみなぎっている。


たまげたね。


採れたジャガイモ達は、この畑の純然たる儲けだな。



投資をせず、世話もせず。ただ土に漲る力をいただく。



2009-07-13

ぶどう園にて

ハウス

がんばっている俺。




梅雨が明けそうだ。ぶどうのビニールハウスでビニールを収納する作業を行った。

ハウスの骨組みにマイカー線というヒモで固定してるビニールを巻き上げ機で屋根のてっぺんまで巻き上げてからヒモで背骨に固定する。


昔はヒモを全部ほどいて、ビニールを剥ぎとり、畳んで納屋になおしていた。


10人くらいで一日がかりだった作業だ。



これが4人で3時間かからなかった。



見えないところで農業技術というのは進歩しているものだ。


それよりも農産物の価格が下がるスピードの方が早いというのがいささか問題なのだが。


090704_1307~01

今年は7月20日頃しましまぶどう園開園です。

2009-07-12

宝に囲まれて生きる

月曜日に自転車用の携帯空気入れと鍵、ライトを買った。

ヘルメットは店頭にならんでいるヤツを片っ端から被りまくって一番フィットするヤツを選び出した。

値札を見ると。



二万三千え~ん!


ネットで調べたら半額近くのがあったのでそちらで購入。

お店には悪いが、背に腹は替えられない。日曜日に届いた。


しかし予算オーバーには変わりないので靴を後回しにした。ビンディングという金具でペダルと靴が連結した状態でペダルを回す。路面のでこぼこで大きく振動したり、ギアの変換でペダルが振れるとペダルから足が離れてバランスを崩すことがある。最初は専用靴など無くともスニーカーで大丈夫だと思っていたが、ツールド国東に参加してその必要性がわかった。

しかし、無い袖は振れない。まあ、レースまでに買えばいい。





靴を除いてほぼ必要なアイテムが揃った。



自転車から前輪と後輪を外し、車のトランクに積み込んだ。



今日、明日の天気予報は月曜日の段階では晴れ。




決行だ。


自転車で通勤する。



家から職場までの距離は35キロ。


昨年末に一度、ランで帰ったことがある。


3時間45分かかった。






折角買ったTNI川筋仕様。


乗りたくて仕方がないのだ。



通勤する。


090621_2146~010001


コイツに乗って通勤する。




朝出勤し夕方退庁するのは、さすがに不安だ。


火曜日に自転車で退庁し、翌朝出勤すれば睡眠を一晩挟むので疲労が回復する時間がとれる。



決行。



自転車を車のトランクに詰めて職場に行ったはいいが、天気予報は外れたようで、雨が止まない。


これは仕方がない。もともとこの自転車は雨降りに乗るように出来ていないので、諦めた。


しかし、自転車は職場に置いて帰った。


一度は裏切られた天気予報だったが、再度調べてみると水曜・木曜が晴れの予想。


再度チャレンジ。


夕方、いつものように9キロジョグをしてから自転車にまたがる。


そこから35キロをこいで帰るのだ。


距離だけ言うとたいそうだが、自転車はランの約1/4の体力を使うと言われている。


ということは、9キロ走ったあとに自転車の35キロをランに換算すると35÷4≒9だから、9+9=18キロほど走った計算になる。


そのくらいならいけるだろう。いや、いってみないとわからないのだ。


職場から自宅へは、どういうルートを通っても峠を越えなければならない。


オーソドックスに最短の米の山峠、少し平坦な冷水峠、その他にもしょうけ峠、八木山峠、八丁峠がある。このどれかを越えなければ家には着かない。


車の交通量を考えれば米の山峠が安全だが、タフな登りが8キロ続く。分かれ道まで悩んで、冷や水峠を選んだ。


18時40分ごろ出発して19時を少し回ったあたりで峠のピークについた。


そこからは一気に下り坂である。

090624_1915~010001

いつも車で通っている道ではあるが下り坂を走りながら見る筑豊の眺めは、爽やかで心地よかった。





少し薄暗くなってきたので電気を点灯させ、200号線を走った。


寿命交差点付近。田植えが済み水が張られた田んぼに映る夕焼けにしばし見とれた。




いつも車で通っている道。


お。こんなところにせせらぎがあるのか。


ここから見る夕日はきれいなんだな。


090624_1914~010001


090624_1926~010001

車では見落としてしまう宝をたくさん見つけた。





家まであと少し。時計を見ると20時15分。


それほど無理をせず休憩も含めて1時間40分あれば通勤できることがわかった。


初日。時間はこれから少しは縮むだろう。




家路を少し遠回りして知り合いの家に寄った。


玄関の呼び鈴を押そうとすると風呂場の窓から声がした。


あ、お風呂?


声をかけると風呂の窓が開いた。



「あ、しましま先生」


この地域には私の元道場生が結構いるので私を先生と呼ぶ人が多い。


じゃ~ん!自転車。かっこいいやろ?



この自転車のフレームはTNI製。

比較的安価で、しっかりとしたつくりのフレームなのだが、色のバリエーションが少ないというのが難点。


私が購入したフレームの色は赤だった。


それを彼に白とオレンジのツートンに塗装してもらった。


2万円也。


車の塗装が生業の彼。


酒飲みの時にフレームの話をしてみると「やってみましょう」と、のってくれた。


おかげでこの世に唯一台のTNI川筋仕様が出来上がったのだ。


まず、初乗りで見せに行くのが仁義だろうと立ち寄った。


風呂の窓から彼は喜んでくれた。



明日は6時半に出よう。また、気づかなかった宝に会えるな。

2009-07-12

6月の記録

6月は祭日無い。盆とか正月もない。きっかりと普通な一週間。月曜日から日曜日までが順序よくやってくる。


この6月、私は一つ目標を立てた。


友人が言い出したので、それをちょっと意識してみた。



6月中に200キロ走る。


自転車や徒歩は入れない。泳いだ距離も入れない。ジョグした距離だけで200キロ。


これまで月毎の距離がこれを超えたことが無いわけではない。


例えば4月。ハーフマラソンに2回エントリーしていたのもあり200キロを超えた。


ハーフ21キロ×2で41キロ。これはでかい。


5月は連休があったし、ツールド国東にのぼせ上がっていたのもある。休みやマラソンでないイベントがあると距離は伸びない。



6月はこういうイベントごとが少ないから、かえって達成できるかもしれない。


やってみよう。



毎日走ったら、ノートに記録した。



雨降りがあれば一歩も動きたくない日もある。



一日10キロを目安にするとだいたいこのくらいの距離になった。




結構がんばったな、俺。





さて、今月。


泳ぎにも行きたいし、先月に投入されたNEWマシンにも乗りたい。




こうなるとあれもこれもが忙しい。




とりあえず6月は200キロクリアできた。が、後半ちょっとしんどかったのでもうやらない。


7月からはスイムとバイクをジョグ換算して通算といこう。



スイム×4=ラン
バイク÷4=ラン



これで260キロ。


スイム10キロ×4=40キロ
バイク280キロ÷4=70キロ
ラン150キロ


これでいく。

2009-07-11

新たなステージ

少し前の日曜日、地域の救急救命講習に参加した。

消防署の職員を招き、AEDを使った蘇生のやり方を研修する。





①大声で呼びかけ反応の有無を確認する。
②反応がなければ、大声で近くにいる人に助けを求め、119への電話とAEDの準備を依頼する。
③気道を確保し、息をしているかを確認する。
④息をしていなければ人工呼吸及び心臓マッサージ。2回人工呼吸を行った後、心臓マッサージを30回。これを繰り返す。
⑤AEDの準備が出来たら、アナウンスの通りの処置を行う。
⑥再び人工呼吸&心臓マッサージ。

AEDだけで蘇生することは稀で、あくまでも人工呼吸と心臓マッサージが蘇生のメインなのだそうだ。


人を使ってやるわけにはいかないので、講師が持ってきた人工呼吸練習サイボーグを使って練習。


私も何度かやってみた。


まず、大声で声をかける。



090621_1044~01








・・・・・。




コイツに声をかけろったってさ。




声をかけきるヤツは、そりゃかなりヤバいぞ。




ぷぷぷぷ!





笑いをこらえて人工呼吸。




ふー。ふー。




一丁前に胸が膨らむ。



顔を見ると西洋の男性なのだが、どういうわけだか胸がふくよかで、明らかに乳房がある。



ちみ、存在のコンセプトが分からへん。



表情もなんとなく幸せそうだし。




一通りの手技を交代でやり、最後に試験を受けた。


090621_1035~050001




何日か後に合格証が送られてくるのだそうだ。


これで大丈夫!いつでも私の周りで倒れて下さい。


できれば女性希望。




若い女性希望。










夕方、自転車を取りにいった。


以前、注文しておいた自転車が完成したとショップから連絡が入っていたのだ。


ウチからショップまでネット上の地図で距離を測ると21キロ。



まあ!


ハーフ


いつもの距離フェチ心が騒いだ。



走って行って、自転車で帰ろうと目論んではみたが、新車で雨に濡れるのもバカらしいので車で取りに行った。





じゃーん!



090625_0755~010001


TNI川筋魂バージョン!


かっくい~ !


はやく乗りたい!はやく乗りたい!はやく、乗りたい!





万が一にも備えたし、自転車もやってきたし。



新たなステージが待っている。


2009-07-10

カポエラ

カポエイラ。

16世紀にアフリカからブラジルへ労働力として連れてこられた黒人奴隷達。

支配者達は彼らの暴動や武装を恐れ、奴隷達の武術取得を禁じてしまう。

奴隷達は支配者達の目を欺くため、ダンスに見せかけ密かに自分達の武術を確立する。

カポエイラの誕生である。


そのアクロバティックなアクションは奇しくも武術の域を超え、芸術までに高められている。






仕事が終わり、いつものように職場周辺を走っている時のこと。


一つめの信号を渡り、農道の直線に入ったところで別方向から走ってきた女性と出くわす。


女性も走っている。


年の頃は私と同じか少し下あたり。





この通りは車の通りが少ないこともあり多くのジョガーと出くわす。


しかし彼女は明らかにそれとは違う。



普段着にエプロン。



足元はサンダルである。



サンダルのかかとがカツカツカツとリズミカルに音を奏でる。





何か急ぐ用でもあるのかな。


見渡してみると先方に田植えの準備をしているトラクターが一台。


はは~ん。あそこのおっちゃんに急用か何かを伝えに急いでいるのか。


このおねいさんはおっちゃん家の嫁だな。


明日頼んでおいたイネの苗が急に届かなくなったとか、加勢人が急にこれなくなったとか何か急用を伝えに急いでいる。


トラクターのオヤジは偏屈で、ちゃんと伝えておかないと明日の段取りが、とかなんとかいつまでもいつまでも小言を言うから嫁はたまらない。




それは大変。がんばれおねいさん!


勝手にストーリーを作ってにやにや眺めていたらトラクターを過ぎてしまった。

右手を見るとまだおねいさんは走っている。



全く知らない私とおねいさんが農道の左右道端を並行して走るという、全く持って不自然な状況ではあったが、ペースを乱すのもいやだし、トラクターまでだと勝手に期限を付けていたのでそのまま平行して走っていた。


ペースと言えば、私はそれほど遅く走っているわけではない。



平坦地だから多分1キロ4分30秒から40秒くらい。



普通の人がいきなり走るには少しキツいペースである。



2ブロックほど走っているが、カッカッカッとかかとの音をさせながら彼女のペースは一向に衰えない。



もう2ブロック行ったところで彼女は左折していった。


彼女が曲がった先には、目標となるものは何もない。


・・・・。


何だったのだろうか。






あ。



カポエイラ。







「よし子さん、あなた、家の嫁なんだからしっかりして貰わないと。いつまでも独身気分でマラソンだのジョギングだのやって家のことはほっぽらかしてたんじゃねぇ。あたしたちが若い頃はこうじゃなかったけど、いいわねぇ、今の若い人たちは」


よし子は、好きなジョギングをくそばばあの姑から遠回しに皮肉たっぷりに禁じられてしまう。


わたし、まけないわ。

いいの。

少しだけ。

少しだけでも走りたいの。

そうよ。

走れたらそれでいいの。

よし子は決心する。ジョギングじゃなきゃいいのよ。ジョギングじゃなきゃね。



足にはサンダル。エプロン姿で走る。


「あら!よし子さんどこ行ってらしたの?まさかジョギングじゃ」



「いえ、おかあさま。あたしお買い物へ」


これ見よがしにエプロンとサンダルを見せつけながら、きっぱりと姑に言い返すよし子の額には心地よい汗がにじむのであった。






よし子。がんばれ。

2009-07-09

特典

となりの短大の授業に行ってきた。週に1回ペース。


私はここの講師になりたいと思って転勤希望を10年ほど出していた。

しかし、その甲斐むなしく、実現しなかった。


だから、今のセクションに来て、農大の授業が持てると聞いた時は小躍りするほどうれしかった。


今日も楽しく好きなことをしゃべくり、生徒と話した。



一時限と二時限ぶち抜き。

楽しい午前中。


同じ県の機関だから、報酬とかそういうものはない。


歩いていけるから旅費も要らない。


好き出来ているのだからそういうものはハナから期待していない。



期待していないのだが、ここで午前中授業をした外部講師には特典がひとつついてくる。



昼ご飯。



昔は評判の悪かったここの学食。今では農大生が栽培した野菜をふんだんに使ったメニューで、すこぶる美味い。



「昼ご飯食べていってください」



おお!かたじけない。今日はそのつもりで弁当を持ってきていない。







この量と品数の多いこと。







090611_1210~010001




ビュッフェ方式なのでお変わり自由である。


この農大、全寮制である。寮費さえ払えば基本、学費は無料である(資材費や教材費は必要)。寮費もそれほど大した額ではないが、この調子で3食出てくるらしい。


育ち盛りの学生達にも十分なボリュームだろう。


十分だろ?と学生に聞くと


「多いっす!ここきて太りました」


だそうだ。


旬の野菜が多いメニュー。これは幸せな毎日だな。



あるものはありがたくいただくのが私のモットーだが、さすがに全品を平らげるのにはちょっと汗をかいた。



090611_1220~010001



完食。



ごちそうさま。


次の授業が楽しみだ。

2009-07-08

キャラ

昼間職場にいると、ある人から電話があった。

「しましまさん、今週のビックコミック読みました?」


ビックコミックオリジナルには魚戸おさむさんの「玄米先生の弁当箱」が連載中である。

このマンガ、西日本新聞社のメガヒット「食卓の向こう側」の応援マンガである。


少し前、魚戸さんが福岡にやってきた時に昼飯を一緒に食った。


その時にそんなことを言っていたような・・・。



今日は糖尿病の定期診療である。

病院で採血してから、結果が出るまでの間にコンビニでマンガを立ち読みした。





お。

090608_1828~01


090608_1828~02




魚戸さんに電話すると留守電に繋がった。



ははは。この一話、知ってる人がやたらと出てくる。


はははは!遊んでら。


飯を食っていると魚戸さんから電話。



もしもし。しましまです。出演させていただいてますね。あざーす。


「あ、俺言ってなかったですかね?しましまさん使わせて頂きますって。

何の役でしたっけ?あ、高校生。そうそう。でも、しましまさんキャラが立ちすぎるから、次の機会に使わせて頂きますよ。今回はちょい役で。」


あ~どんどん使って下さいましよ。おもろ!


わー楽しみ!






検査の結果が出た。


4、5月は歓送迎会やらなんやらで飲み会が多かった。検査の前々日、6月6日もロールケーキの日だからと、ロールケーキを大人食いした。


今回は怒られるな。



怒られ度を緩和するために今日職場で貰ったブロッコリーとナスを手みやげにし、覚悟して診察室にはいった。


「いいやん!」


え?


「いいよ、数値」


全て正常値域内。


前回、いつも引っかかっていた尿酸値が減量により安定し始めたので思い切って薬をとめてみた。


尿酸値も高めではあるが正常値。



血糖値もヘモグロA1CもγGTPも全て正常値。



おおおおおお!


あれだけ食ったり飲んだりしたのに。


ある程度の不摂生は認める。


それをカバー出来るほどの効果が、日頃の運動と朝ニンジンにはあるということか。


これなら続けられる。


健康でいられるのである。

2009-07-08

この情熱の他に、何がいるというのだ!

フルマラソンで二回完走できた。

昨年は錦江湾を泳ぎきった。

今年の連休には、ツール・ド国東、115キロを自転車で完走した。


楽しいことばかりだ。

何事もやってみないとわからない。


この虫が体のなかにいるかぎり、私は前に進む。


トライアスロン。


最近、触手がふれるようになった。

よし、行ってみよう!


俺、出る!


昨日、エントリーしてきた!



おいしましま。


まてまて。

トライアスロン出るには準備が…




この情熱の他に、なにがいるというのだ!



・・・・・・。








まず、自転車が要るだろうが。


あ。






自転車を買うことにした。

写真はフレーム。

組み立ては来週。

夏の間、少し自転車の練習して、9月のレースに出る。

宝島トライアスロン。

またまた楽しみが増えたな。

2009-07-08

彼らの野望

朝からほうれん草の収穫をした。

もういい加減家族も飽きてきたし、近所にも分けたけどまだ畑にたくさんあるので取り上げようと行った。


窒素成分は生ゴミと牛糞の堆肥と米ぬか。十分に分解されるだけの時間をおいてから作付けした。

ほうれん草なのに根がごぼうのように図太い。


化学肥料は使っていないので、店頭に並んでいるようなみどりみどりしたあの鮮やかな色はないが、食べてみるとしっかりとした歯ごたえと味が深いので、作った私が驚く。


本来、こういうものなんだろう。


収穫していて気がついた。


090606_1134~01


あ。


とうが立ってら。


ほうれん草の蕾である。


この状態を「とうが立つ」といい、ここまでなると商品価値が無くなってしまう。

おそらく、開花と結実へエネルギーが奪われ、食用となる葉の栄養価がグッと下がってしまうだろう。


ほうれん草を蒔いたのは私だが、ほうれん草自体は「人間様に食べて頂いて、人間様を元気にしたい」とは思っていない。

子供達に「野菜もみんなに食べて貰って喜んでいま~す」というが、それはウソである。


ほうれん草は土から引っこ抜かれるのも嫌だし、包丁で切られたり茹でられるのも嫌なのだ。


彼らは土に根ざし葉を一杯にひろげて光合成を行う。

そこで得られた栄養分で体をつくり、蕾を蓄える。

彼らは蕾を付ける時期を宇宙からの情報で決めることにしている。


長日植物と言って、一日の昼間の長さが一定以上になるとそのスイッチが入るようになっている。


ウチのほうれん草達もいつのまにか空からのメッセージを受け取ってしまったようだ。

そうして全勢力を結集して花を咲かせ、結実する。


種を育み、次世代を後世に残そうとする。


それが彼らの望み。


しかし残念なことに、私は全てを収穫し、彼らの目論見を阻止した。


なぜか。


私もまた、彼らとは異なるプロセスではあるにしろ、彼らと同じ目的を持って生きているからである。
最新記事
プロフィール

しま・しま

Author:しま・しま
土からつくるここだけ芋焼酎「たばらそだちプロジェクト」を立ち上げました。土と食、命がつながるといいなと思います。

カテゴリ
FC2カウンター
月別アーカイブ
最新コメント
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。