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2010-08-05

再会

鹿児島に来ている。


錦江湾横断遠泳大会に参加するためだ。

前回は一昨年、今回で2回目。異なるメンバーでのエントリーだ。

桜島から磯海海岸までの直線4.2キロを4人一緒に泳ぎ切る。

無論、オープンウオーターなので海流あり、風有り、波、クラゲ有り。プールで泳ぐようにはいかないのだが、これがまた醍醐味でもあるのだ。

かなり人気の高い大会で、募集チーム数180にエントリーが260チームもあったそうだ。

出場チームが抽選で選ばれるため、実力の他に運も持ち合わせていないと参加できない。


前日に監督会議があり、これに出席しないと参加させてもらえないので、鹿児島で前泊。

夜は黒豚やら薩摩揚げ等の鹿児島の味覚で一杯。

メンバーのうち、初参加は2人だが、どちらも海での競技経験はあるので、リラックス気味だった。


当日は朝7時のフェリーで桜島に渡り、会場までは徒歩だ。

TS3H0390.jpg

フェリーから港にわたっていると外は雨じゃーじゃー。

TS3H0393.jpg


うへ。


泳ぐんだから雨ぐらいいいじゃん、と思われるかもしれないが、雨だとやはり気が滅入る。さらに雷を伴うとかいうことになると、一気に事態は深刻化する。


雷の危険性が出たら、大会自体が中止される。延期はない。中止。


三年前の大会は、選手が砂浜に降りてこれから泳ぎだそうというその時に雷が鳴り始めたため、大会が中止となった。


その時にエントリーしていた友人がいた。


山本さん。






年の頃は60歳代半ば。


知り合ったのは8年ほど前。私が膝靱帯断裂再建手術のリハビリでやっとクロールが許可された頃だった。

その頃の私は、スイミング教室とか誰かの指導を受けてとかそういうことを一切せず、本屋で水泳の本を立ち読みしたりして、水泳の知識を得ていた。

なにぶん、ごつごつの原石からのスタートなので、ちょっとフォームを改善すると早く泳げるようになった。


ある日のこと。同じコースで泳いでいる初老の男性から声を掛けられた。

「少し前からここで水泳の練習をしているんですが、なかなかうまく泳げません。どうしたらいいんでしょう?」

えっと。あの、片手で水をかいている時、反対の手をまっすぐ伸ばして水を切ったらいいですよ。それから体を縦向きにしてもいいみたいです。

かなり怪しいがプルとローリングの基本だ。今ならともかく、その当時の私は人に教えるほどうまくはない。へたっぴーだ。正しいかそうでないかも分からない。だが、知っていることを話した。


ずーっとやってたらそのうちうまくなると思います。俺もうまくないけどがんばりましょう!


そう言ってへたくそな二人はプールの片隅で励まし合った。


それから3,4年して山本さんと再会する。


通勤路上にプールが乗ったのをきっかけにスイミング教室に入ると、山本さんも教室に入っていた。


山本さんはきれいなフォームのスイマーになっていた。適当に泳ぎ続けていた私よりもかなり速い。

山本さん、お久しぶり!すごく上手になりましたね~!すごい!


そういうと、ちょっと照れくさそうに言った。

「あなたのおかげなんですよ。あの時、あなたが励ましてくれたから続けてるんです。実はあの時、もう泳ぐのをやめようかと思っていたんですよ。ありがとう。」


じーん。


涙が出るくらいうれしかった。


そうか!山本さん!ずっとがんばってたんですね!うううう。


自分の何気ない一言が、思いがけずその人を支えた。


こんなうれしいことはない。

ちょっとの間、二人はまたまたプールの片隅で、再会と水泳を続けてきたことについて喜び合った。


その年の夏、山本さんは他の仲間達と錦江湾遠泳大会に出場することになった。

その大会が雷でそれこそ電撃中止となった3年前の大会である。

山本さんは前にも増して、一生懸命に練習をしていただけに、ショックは大きかったようで、それからプールに姿を現さなくなってしまった。



あれから3年。


山本さんが今年の錦江湾遠泳大会にエントリーし、当選したと風の噂で聞いた。


がんばれ!山本さん!

心で叫んだ。


山本さんが戻ってきてくれたようでうれしかった。




監督会議の会場。


会議が終わるとすぐ外に出て、山本さんを探した。



いた!山本さん!


声を掛けると、数年前より一回りやせた私に驚いてくれた。


明日はがんばりましょう!

私にとっては、特別な再々会である。



朝、スタート地点ではもう一つ再会があった。


会場で再び山本さんに挨拶しようと探していると、テントの中から私の名を呼ぶ声がする。

「テシマー!テシマー!」


え?

そうそうある名前じゃないので私の事には違いない。


逆光でよく見えない声の主を細目で見据えて近づいていく。


視神経から入ってくる画像と脳にあるデータの照合作業がフル回転で行なわれた。


あ。中川。


「どうしたんか!」


互いに同じ台詞を言った。


中学校、高校と同じだった友達、中川くん。


確か、今は福岡で税理士をしていたな。


「おまえ、テコンドーとかしよったき、まさか泳いだりはしないやろうけど、どう見てもおまえやき声を掛けて見たんたい」

テコンドーやってたら泳げないって法はないって。

最近になって近くのジムで走ったり泳いだりしていて、仲間を募ってエントリーしたそうだ。

同じ世代がこういう大会に出てくるのは大変うれしい。私は42栽。多少不甲斐ないかもしれないが、40栽代を代表して出ている。


タイムとか順位とかそういうのではない。

自分と対話しながら走り、泳ぎ、自転車をこぐ。何歳になってもここまではやれたんだ。前に進んでいくんだぞ。

そういう気概を持って、40歳代としてここに立っている。


思いがけない再会に驚き、そしてうれしさがこみ上げてきた。


TS3H0401.jpg



180チーム、720人が一斉に泳ぎ始めるとさすがに死人が出るので第1から第11ウエーブまでグループ分けされ、5分間隔で15チームごとにスタートする。

我々「Team手嶋ぶどう園」は9時55分スタート。


旅路は長いので、そんなに焦らない。


TS3H0398.jpg



つづく
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No title

山本さんとの再会おめでとう。良かったね。
8/29芥屋でまた再会しよう。

おー!中川くん(^O^)今度は個人競技だ。42歳の限界に挑戦しようじゃーないかー!
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しま・しま

Author:しま・しま
土からつくるここだけ芋焼酎「たばらそだちプロジェクト」を立ち上げました。土と食、命がつながるといいなと思います。

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